地域の方に基地・部隊研修や各種行事に参加してもらい自衛隊の活動や防衛問題に理解を深めてもらったり、モニターを通して航空自衛隊への様々な要望意見を把握することを目的とし那覇基地では昭和52年から行わている基地モニター制度。
先月の平成28年度基地モニター委嘱式に続きさっそく第1回目の研修に行ってきました。
場所は与座岳分屯基地と知念分屯基地です。
右はおそらく広報の方の手作りの研修のしおり。修学旅行に参加している感じです(^-^)
最初の目的地は糸満市にある与座岳分屯基地。
沖縄戦では海軍特設見張り所の設置や陸軍第89歩兵連隊が展開し、戦後は米軍の基地となっていました。
分屯基地に着くと基地司令の挨拶から始まり、基地の概況説明や空自・分屯基地の任務の説明がありました。
自衛隊の役割として防衛出動がありますが、その他の役割として災害出動等の他に航空自衛隊には平時から警戒監視、対領空侵犯措置といった任務があり、与座岳分屯基地はその警戒監視の一翼を担う基地とのことです。
概況説明スライドでもあった弾道ミサイル防衛の説明
過去5年間の対領空侵犯措置での緊急発進の回数。
中国軍機の活動の活発化により南西航空混成団の緊急発進回数が大幅に増えています。
※PDFはこちら 統合幕僚監部 平成26年度の緊急発進実施状況について
基地モニターの中には防衛問題、基地・自衛隊に関心はあるけどこういった実情は滅多に報道もされないので詳しくないといった方も少なくないので、驚いている方もおられました。
スライドでの概況説明を終え、次はいよいよレーダーのモニター室やJ/FPS-5レーダーの中の見学。
さすがにここらは写真撮影NGで携帯やカメラは入り口で預けることに。
モニター室では実際に航空機を監視しているわけではなく、レーダーそのものの監視の様で、実際に航空機等を監視するのは与座岳分屯基地や他のレーダーサイトから送られたデータを元に那覇基地にて監視しているとのことです。
またレーダーサイトは24時間365日運用な為、停電に備える為の発電機(発発と呼んでました)も基地内にあり、そちらも見学。
ちなみにどれだけ稼働できる(発電機の燃料がある)かは防衛機密とのことでした(^-^)
ヘリポートでJ/FPS-5レーダーを背景に記念撮影(記事冒頭の写真)した後はガメラレーダーの土台の中の見学。
昨年、みょうこうの一般公開の時に聞いたSPY-1レーダーの話を元に、このレーダーの電磁波のことも聞いてみましたが、目の前に行かない限り問題ないとのことでした。
3面の内のM面(左側の大きい方。Wikiでは中央面)は航空機だけでなく、弾道ミサイルの監視もできますが、残りの2面(L面とR面)は航空機のみの監視とのことです。
必要に応じて向きを変えることが出来ますが、その機構は戦艦の砲塔を旋回させる技術を使っているとのことでした。
見学が終わりお昼ご飯。前回の委嘱式の時と同じく一般の隊員の方と同じ食堂ではなく別室での食事でした。残念(^_^;)
メニューは隊員の方達と同じなのですが、普段出しているメニューではなく試作ということで、好評であれば継続して出すそうです。
こちらは基地の業務隊長さんお手製の島唐辛子を使った辛味。基地司令曰くお客さんが来ると必ず作るのだそうです(笑)
辛いもの好きにはオススメかもしれません。
唐辛子といえば硫黄島にも唐辛子があって素手で触ったら痛いぐらいだとか。硫黄島赴任した時にその洗礼をうけるとか同行の監理部長さんが言っておられました。
昼食終えて次は知念分屯基地へ
知念分屯基地は元々は米陸軍の基地で2個の高射隊が置かれています。
知念半島の高台にあり、よく雲に覆われますが、晴れると眺めは非常に良い場所です。
知念分屯基地の本庁舎屋上から与那原方面
知念分屯基地内には佐敷ようどれといって沖縄本島を統一した尚巴志王の先代、尚思紹王夫妻のお墓があります。
基地内ではありますが、一般の方でも申請したらすんなり入れるみたいです。
ちなみに米軍基地時代も大切にされていたとのこと。
知念分屯基地は管理地区と運用地区に分かれているのですが、佐敷ようどれは管理地区側にありますので、気をつけて下さい。
※間違えて運用地区に行っちゃう人もいるみたいです。
この後、運用地区に行ってペトリオット発射機の見学&いろいろ説明をしてもらいました。残念ながらここは写真無し・・・
広報の方が撮った写真はあるので、後ほど基地内広報誌で見れるかな
ペトリオットについて、いろいろ質問もしたのですが、予備弾数や詳細なスペック、運用状況(先日の北朝鮮のミサイル発射時に石垣に展開した部隊はどこなのか等)は防衛機密とのことでした。
この研修を通じていろいろ小ネタも聞いたのですが、まとめきれないのでこの辺でw
最後に知念分屯基地の売店に売ってあるオリジナル泡盛の写真を(中身は琉球王朝でラベルだけオリジナルです)